2010年12月30日木曜日

パンダちゃんVS

現在のところ、パンダちゃんの作品展の名前は『熊猫出没注意』が第一候補なんだけど、その熊猫出没注意の企画展として、相方のmasayaと俺のゆかりのある人だったり、我が故郷、北海道を舞台に表現活動をしている人を募り企画展もしたいなと思っている。
結構、前からのアイディア。


わざわざ作品展に足を運んでもらうから、作品はなるべく多いほうがおもしろいし、いろいろな表現手段があった方がおもしろい。


熊猫出没注意が、いつ頃から実施できるから、具体的な日程が決まっていないから、まだ声はかけていないけれでも、声をかけたい人が何人かいる。
中には作品展をしたことがないって人もいるから、作品を発表する楽しさを味わってもらえたらなあって思うんだよね。


パンダちゃんのそれぞれの作品も並べようと思っている。
作品はなるべく多い方が良い。
そのために、俺は、現在、自分の本を製作している。




楽雲庵塾塾長

2010年12月27日月曜日

パンダちゃんLシリーズ3-1

パンダちゃんLシリーズ3つめのアイディアは龍の鱗。


外側か内側に龍の鱗を使いたい。
パンダちゃんLシリーズのアイディアが煮詰まってきた。




楽雲庵塾塾長

パンダちゃんLシリーズ2-1

パンダちゃんLシリーズは、
外枠を白、黒の2種類でいこうと思っていたけれど、
いろいろな色があった方が、
やっぱり良いということで変更。


今まで考えてきたのを載せる。


まずはパンダちゃんLシリーズ2つめのアイディア。


外枠をアイヌ文様風。
紺か白が良いかな。
微妙に色を変えて、近くで見ると柄がわかるようにしたい。


内側が思いつかない。
内側が思いつかないのが多い。




楽雲庵塾塾長

2010年12月25日土曜日

パンダちゃんLシリーズ(2)

パンダちゃんLシリーズは、パンダちゃんのロゴのみで勝負する作品になるんだけど、
今日は、そのパンダちゃんLシリーズのアイディアをお知らせしたい。


パンダちゃんLシリーズは作品だけにとどまらず商品にも使用する予定。
Tシャツとかね。


パンダちゃんTシャツは、楽雲庵塾でも以前、作っていたけれども、
未だに、パンダちゃんTシャツを作って欲しいという声がきかれるため、
「販売をしよう」と、相方のmasayaと電話会談で決定した。
つまりは新作のパンダちゃんTシャツ。
WEBでも販売予定。


あともう一つ。
作品展の会期中、パンダちゃんのロゴのぬりえを置いておいて(ぬりえだからロゴのふちどりだけ書いてある白紙の状態の紙)、観に来てくれた人達にぬってもらい、
その中から、パンダちゃんが選んだものを実際の作品にしてプレゼントしちゃうってのもおもしろいんじゃないかなと思うんだよね。


俺達の愛読書だったキン肉マンに登場する超人は、
読者から生まれたものが多いからね。




楽雲庵塾塾長

2010年12月24日金曜日

short film

今はまだ何も更新していないけれど、
パンダちゃんWEBにはMOVIEってページがある。


この前、相方のmasayaが「ショートフィルムを作りたい」って話をしていた。
このMOVIEのページにはショートフィルムが掲載されることになる。
たぶん。


俺等はノリが良い。
どちらかが、何かしたいと言い出すと「良いねえ」って即採用される。
未だかつて企画を却下されたことがない。
お互いやりたいことは全部やっちまいたい。


ショートフィルムの話を訊いて俺もいろいろ考えた。


音楽を使うとしたら、あの2人の音楽を聴いてみたいなあと2人のことを思い出す。


1人は、以前、パンダちゃん会議でmasayaが話していた『北の国から』をHip-hopで歌っているアーティスト。
もう1人は、俺が通っている美容師の知り合いであり、札幌狸小路で弾き語りをしている女性アーティスト。
なんか、いずれ会うことになるような気がするんだよなあ。
『北の国から』は、俺等の作品展の予告FILMにちょうど良い気がする。
masayaも歌を歌っているアーティストの知り合いがいるだろうから、音楽には、ことかかないだろう。


ショートフィルムの話は、以前にもmasayaから出た。
そのことが頭の中にあって、俺が買った地デジ対応の新しいテレビは、作品展で使うにはちょうど良い大きさになっている。
数ヶ月、家にテレビがない生活も試したから、俺のテレビを作品展で使う。
幾つかの作品を収めたDVDを作っちゃうのも良いだろうね。
作品展は、いろいろあるほうがおもしろいと思うんだよね。




楽雲庵塾塾長

2010年12月23日木曜日

パンダちゃんシリーズ2-1

パンダちゃんWEBにはGalleryってページがあって、
画像で作品を観ることができる。


今まで、俺が考えた言葉やイメージを相方のmasayaにメールで送り、
masayaの手によって完成した画像がメールで返信されるという流れだったが、今後、ここで俺も初めて作品を観ることになる。


俺も、パンダちゃんWEBを更新しているにもかかわらず、
パンダちゃんWEBが更新されることを楽しみにしているという関係。


それでタイトルのパンダちゃんシリーズ2-1。
初めての方もいると思うので、
まず、パンダちゃんシリーズを説明する。
パンダちゃんシリーズにはロゴと言葉が添えられる作品になる。


2-1の『2』というのはパンダちゃんシリーズの2つめの作品という意味。
2-1の『1』というのはパンダちゃんシリーズ2つめの作品の製作過程の1つめの記事ということ。


なかなかわかりずらいけれど、今後、更新していくと、
こういうことなのかと理解していただけると思う。
2-1って、なんかスーパーマリオブラザーズみたいだね。


それでこのパンダちゃんシリーズ2-1を、
このブログで俺も初めて観たわけなんだけど、
「ここの英語は何て書いてあるんだ?右と左をよく見ると言葉が違うな」と思って、相方のmasayaに電話をして訊いたら、
「いや、いや、それはおまえが考えた言葉だ」と言う。


日本語だと、俺が考えた言葉だとすぐにわかるが、
英語だと、俺が考えた言葉だとピンとこない。


ここにはこう書かれている。
『I wanted to become who it was.hawever ,it has not been understood what I may do.』
-何者かになりたかった。ただ、何をしていいかはわからなかった。-


自分で考えた英訳を忘れるくらいだから、英語に自信がない。
そう思って英訳はMiki Pittという友達に協力してもらうことにした。




楽雲庵塾塾長

2010年12月22日水曜日

パンダちゃんWEBオープン!

どうも、パンダちゃんの楽雲庵塾塾長です。


パンダちゃんって何?って方も少なからずいらっしゃることと思います。
というか、多いことでしょう。
一言で言ってしまえばコンビ名です。


私たちが坊主と呼ばれる頃につけました。


その頃は、何か活動をするというわけではなく、
名乗る場面もなく、
とりあえずコンビ名をつけたわけですが、
とうとう、そのコンビ名が役に立つ時が来たのです。


何をするかというと、
パンダちゃんの作品展をぶちかましたいのです。


1カ所で1回開催するというものではなく、
1年は、かけて何度となく、ぶちかましたいのです。
時には、ラジオのインタビューを受けてみたいのです。


このアイディアを思いついて、早3年の月日が流れました。
徐々に具体的になり、作品もいくつかできあがってきたので、
せっかくだから、作品の作っている過程をお見せしたり、
パンダちゃんは、どんな奴等なんだということを知ってもらうことにより、
さらに作品展を楽しんでもらえるかなと思うに至り、
こうして、パンダちゃんWEBを公開する運びとなりました。


最後になりますが、
このパンダちゃんの活動をしている俺自身がめっちゃ楽しいです。
イェイ!
相方に感謝します。






それではパンダちゃんWEBオープンします!




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追伸


この記事より以前のものは、
お互いのサイトで書いてきた記事になります。




楽雲庵塾塾長

2010年12月20日月曜日

熊猫出没注意


熊猫と書いてパンダと読む。
つまりは、パンダちゃん出没注意。
街で、このフライヤーを見かけたら、その街にパンダちゃんが出現する。

作品展をやるからには、作品展の名前が必要だからね。
ずっと考えてたんだけど”熊猫出没注意”が今のところ一番良いと思うんだよね。
俺達、お互い、猫飼ってたし。


楽雲庵塾塾長

記念すべき第一号

パンダちゃんLシリーズを考えつく前、
できあがったロゴを、
試しに何人かに見せてみた。

その何人かは「こんなところにも小さなパンダがいる・・・」と相方が作る細かさに注目した。
俺も、最初、見た時はめっちゃ細かいと感心した。

このパンダちゃんLシリーズを実際の作品に仕上げる。
俺の頭の中にあったイメージが、
相方の手によって、イメージによって、形になり、俺の元に届く。
そして、作品は最終段階に向かう。
再び俺の手によって。

俺も相方にならい、細かいところまでこだわっていこうと意気込み、
頭の中にあるイメージを膨らませ材料を揃える。


記念すべき一作品目。

一作品目には、プラスチック板を使用することにした。
プラモデル屋に、久々に行く。小学生の時以来か。

プラモデル屋はワクワクする。
小学生の頃、よく作っていたガンダムのプラモデルを思い出す。
子どもの頃を思い出しながら、作る作品ってのも、何か、今回の作品に合っている感じがして嬉しくなった。

下準備に3日かけ、
3日経った頃に、色を塗る側(表と裏)が間違った事に気づき、
俺の3日は何だったんだ、何だったんだといじけ、
いや、裏側から塗った感じは、どんな感じになるかを試してみる必要もあるんじゃないかと思い直し、
結果、裏側から塗った方が良い感じになった。

失敗を恐れんな。

と、つづく、作業に取りかかり、
やっと完成。



・・・・・。




イメージと違う。
イメージと違うじゃないか。
俺が手を加えることで、悪くなっちゃっている。
いじける。
激しくいじける。


ふて寝をしながら自らを省みた。
一度に、辿りつこうだなんて都合の良いことを考えるのは悪い癖だ。
何度となく、やりなおそう。
納得のいくまで、やりなおそう。

そういえば、この前、メッセージをくれた塾生も、
高校の書道部で、何枚も書き直したって言ってたな。
当たり前だよな。
納得のいくものができるってのは、そんなもんだ。


何がいけないんだと再び考える。
そうだ。ここで細かさを発揮すれば良くなるんじゃないか?
俺は、再度、プラモデル屋に行く。

ちょっと手を加えたところで、
これだ、これなら良いんじゃかというところまで完成した。

こりゃあ、同じの作ってくれって言われても時間がかかりすぎるなと思いながら、
記念すべき作品第一号の前に座ってじっと眺めた。


相方は、何て言うかな。
作品を観てくれた人は何て言うかな。


早く観てもらいたい。


まだ、一つめだけど。


楽雲庵塾塾長

パンダちゃんLシリーズ

ここのところ誰かの作品を観ると、
アイディアがよく浮かぶ。

先日のさっぽろアートステージを観た帰り道も同様だった。
こうして、ああしてと考えながら、ワクワクしながら、
車を運転する。

そして、そんな時は、パンダちゃんの相方に話をしたくなる。
へっけっけ。思いついちゃったと。

今、作ってるのは「パンダちゃんシリーズ」ってものなんだけど、
まず、俺が作品のイメージを考え、言葉を考え、メールで送信する。
次に、相方がメールを見て、作品を作り、画像を俺に返信してくれる。

そのできあがった作品を、
どう作品として仕上げ、
どう展示するかについて考えていたんだけど、
その仕上げの部分を思いついた。

パンダちゃんの相方に電話で、その仕上げについて話をした。

「パンダちゃんシリーズ」は、
10代の頃を思い出しながら言葉を添えてるんだけど、
一番最初のメールのやりとりは、
相方からロゴだけを送ってもらった。

その送ってくれたロゴを何度か観ているうちに、
これ、言葉がなくても良いなと思うものがあって、
作品の仕上げ方を思いついたのと同時に、
ロゴだけをいくつもつくるってのはどうだ?と考えた。

パンダちゃんLシリーズ。
Lはロゴの頭文字。


相方と電話で話をした翌日、
作品として仕上げるための材料の買い出しに出かけた。
画材屋に行き、ホームセンターに行き、プラモデル屋で材料を揃える。


頭の中のイメージが、できあがりますように。


楽雲庵塾塾長

パンダちゃんシリーズ1-1


8月のパンダちゃん会議で作品のイメージを相方に伝え、
いくつかのメールのやりとりを経て、
できあがったのが上の写真。
パンダちゃんシリーズ。

イメージと言葉が俺で、
あとは、全て相方。

パンダちゃんシリーズは、
10代にむけたものにしようと思っている。

2人で作品を作るのはおもしろい。
俺の想像を超えていく。



楽雲庵塾塾長

一人パンダちゃん会議(1)

この前、ひさびさに楽雲庵塾のポストカードを作った。
頼まれていたポストカード。
「夏が終わる頃には持ってくるよ」と数ヶ月。やっと完成。

と、ほぼ同時に、パンダちゃんの相方からメール。
3つの作品の画像が添付されていた。
やばいと顔がにやける。
そして、俺は、考えていた途中の言葉をのせてみる。
ふ~むと、言葉を練り直す。

そして、一人パンダちゃん会議。
アイスコーヒーを飲みながら、
それまで、書きためていたノートを読み直してみる。

時間をあけて読み直してみると、なかなか新鮮だ。
完成した言葉ではないけれど、書いておいて良かった。

のってきたところで、喫茶店は閉店。
一人パンダちゃん会議も終了。


楽雲庵塾塾長

パンダちゃん会議(2)

1ヶ月ぶりのパンダちゃん会議。
前回と同じファミレスで、前回と同じミートスパゲティを食べながら行った。

パンダちゃんの相方が、前回、提案した案についての経過を話した。
今後、この作品を開拓者精神シリーズと名付けよう。あくまでも仮ではあるが。

「ばあちゃんにいろいろ訊いて来たよ。おもしろい話をいろいろ訊けた」

ばあちゃんが、その土地に住み始めた頃の話を訊いた。
俺も、この1ヶ月、自分のばあちゃんに、いろいろ訊いた話を相方に話した。
80年間生きてきて、一番楽しかったこと、一番辛かったこと。
恋愛の話。ばあちゃんが若かった頃の話。

まずは、自分達のばあちゃんの作品から作り始めようかということになった。
この開拓者精神シリーズは、何回か通って、写真を撮り、話を訊く必要があるから、
自分達のばあちゃんがうってつけだということになった。
俺のばあちゃんは、写真を撮られるのを嫌がるから、盗撮という形になっちゃうけど。


そして、俺は、この1ヶ月に考えた新たな作品のアイディアをノートに書きながら説明した。
この作品を、今後、パンダちゃんシリーズと名付けよう。あくまでも仮ではあるが。

「いろんなデザインのパンダちゃんが並ぶとかっこいいと思うんだよね。コンセプトである
故郷からは、はずれちゃうけど。家に帰ったらデータをメールで送るわ。あと、ここにメッセージを書くかは迷ってるんだよね。メッセージを書くとしたら、今の10代へのメッセージかな」

それから、幾つか浮かんだアイディアの話を続けた。
そのアイディアは、ユーモアの話。笑える話。

それを訊いて、パンダちゃんの相方が、「いたずらをしたいよね」と言った。

「良いね」と俺も、にやけながら、相方がDVDで撮影できる機材を持っているかを確認した。
「この年になっても、意味のないことを真剣にやっているってことが大事だと思うんだよね」と話を続けた。
「この年でピンポンダッシュするってのはどう?」

「それは犯罪だ。竹馬で浅瀬を渡れるのかなあ?」相方も負けじとクダラナイことを考える。

「これは、もはや作品じゃないな」

子どもの頃、二人で、意味もないことを真剣にやって、笑っていたのを思い出して嬉しくなった。
ふざけてんのか、真面目にやっているのか、よくわからんなってくらいがちょうど良い。

楽雲庵塾塾長

パンダちゃん会議(1)

5年前、ひさびさに再会を果たした時に食事をしたファミレスで、友達と2人、パンダちゃん会議。


パンダちゃんのものづくり→初めての方は
こちらをお読み下さい。


メールや電話でも、その友達には、俺の手が止まった件は話をしていたが、再度、話をした。

「撮ってきた写真の幾つかは使えると思うんだけど、景色を撮っているうちに、これって、俺が伝えたいことなのかってなっちゃってね。景色がきれいってのを伝えたいわけじゃないし」

友達はアイスコーヒーを飲みながら聞く。

「作品以外のアイディアは良いと思うんだけどね。肝心の中身が納得いくもんじゃなきゃなぁ。売れないなら売れないで良いんだけど、俺の部屋に飾っておきたいって思えるもんを作りたいんだよね。俺が撮ってきた写真からは、想像できなかったんだわ。無名の俺等を、たまたま見に来た人が、これすげぇやって思ってくれる人を一人でも増やしたいし、見に来て良かったって思ってもらいたいし」

お互い、話の合間、合間で、煙草を吸い、コップの水分を流し込む。


友達が、作品のアイディアを話す。
「7月にじいちゃんの13回忌があるから、その後、こんな感じでっていうのを送るよ。それで、これ、おもしろいって思ったらやってみてよ」



1年の空白を経て、再び、動き出したパンダちゃん。


楽雲庵塾塾長

パンダちゃんによる作品展と楽雲庵塾本第二弾の話

布団の中では、なるべく楽しいことや嬉しいことを考えるようにしている。
楽しいことや嬉しいことがない時は、何も考えずに布団に入る。
ふて寝は布団の中ではしない。茶の間でする。

いつだったか、巨人の原監督の父(父も大学で野球の監督をしていた)が、原に言った「布団の中では、悩むな」って言葉を、俺もいつからか実践している。
実践しようと思って、実践しているわけではないけれども、そうするようになった。

おかげさまで、眠れないってことがめったにない。

ちなみに子どもの頃、ひつじを数えていたら、余計、眠れなかった経験があるから、
あれ以来、ひつじは数えないようにしている。
なんで、眠れない時はひつじを数えるってのがメジャーになったんだ?
全然、眠れないじゃないか。


良いイメージで布団に入っている時は、ふと良いアイディアが浮かぶことがある。
一度寝て忘ちゃったら困るから、枕元にはノートを置いて寝ている。
おもむろに起き出し、携帯電話の薄明かりで、ノートに、アイディアを綴り、再び、眠りにつく。

この前も、「やべぇ、これはうける」と、
実行に移す、その日を虎視眈々と待っているところだ。


アイディアはうかぶも、未だ実践できていないのが、
2008年夏に、このブログに書いていた
パンダちゃんによる作品展と楽雲庵塾本第二弾

今も変わらずやりたいと思っているから、全貌はお話することはできないが、
かいつまんで書くと、
俺が生まれて初めてできた友達(現在グラフィックデザイナー)と一緒に作品を作り、
俺達が生まれた北海道で作品展をし、したと思ったら北海道からも抜けだし、
俺が初めて作品展をさせてもらった新潟でもやるというもので、
楽雲庵塾本第二弾も、そこにぶつけるという企画。


2009年夏に実行に移すはずだった。


写真を撮っては、その友達にメールを送っていたんだけれど、
ある時、ふと自分自身に納得がいかなくなった。
何か違う。これじゃだめだってね。

友達の力を頼りすぎてるんじゃねぇのか、
俺の時点で、納得のいくもんじゃなきゃだめだろうがって。
当たり前のことなんだけどね。

こういう場所で、こういう日程で、こんな感じでって、
作品以外のアイディアは、ボンボン出てきたんだけれど、
肝心の作品のアイディアがなかなか出てこなくなった。


2008年、楽雲庵塾ポストカードを持って、
立て続けにイベントに参加していた時も感じたんだけど、
どうもイベントに参加するって目的が先にきて、
伝えたいもの(作品)が後に来るというかね。
逆だろって。

伝えたいもの、観てもらいたいものがあるから、
イベントに参加するのであって、作品展をするんだろ?
自分自身に問いただした。

だから、イベントに参加するのは、一旦、やめることにした。


同時に、作品自体も全然、思いつかなくなった。
こうして、あっという間に2009年は過ぎ去った。

「作品展はどうなったの?」って何人かの人達に聞かれるけれど、
そんな人達に、「これでどうだ」と自分自身が思えるようなものをお見せしたい。

月光(2)

俺は、来た道を引き返した。


『このまま帰るのも、なんか、もったいないな。
どうせなら、温泉にでも入っていくか』
そう思った俺は、”吹上温泉”で車を止めた。
駐車場には、2台の車が止まっていた。

吹上温泉に来たのは二度目だ。
一回目は、高校を卒業して、すぐの頃、
数人の友達と来た。

この温泉は、無料の露天風呂。
電気がなくて、その時も、夜中に来たから、
まったくもって、あたりが見えなかった。
服を入れる”かご”くらいしか置いていなかったような気がする。
思いっきり、すべって、けつを打った。
そんな記憶しかない。


俺は、車に入れて置いた、
いや、置いたままになっていたバスタオルを手にし、
吹上温泉に向かおうとした。

が、あまりの寒さに、
気持ちまでも、一気に氷点下。

家の風呂に入った方が良いな。
外に出て1分足らず、
再び、車に引き返し、ハンドルを握った。

一本道を引き返す。

そして、T字路にさしかかる。
このまま右折をすれば、
上富良野の町に出て、
あとは帰るのみ。
帰路。


『やっぱり悔しいなぁ。こんなに月が綺麗なのに・・・』


後ろ髪を引かれ、再び、ブレーキを踏む。
車を止め、顔を左右に動かし、周りを見渡す。


ん?


一つの灯りが見えた。


望岳台をひたすら目指してきたから、
あんなところに灯りがあることすら、
目に入っていなかった。
行けるのか?
灯りがあるってことは、行けるのだろう。
行けなければ、引き返せばいい話だ。

標高から言えば、
ここより、さらに上の地点に、
その灯りはあった。

俺は、来た道とは逆、つまりは左折し、
その一つの灯りを目指した。

思いのほか、急勾配。
ただ、確かに、そこには道があった。
丁寧に除雪をした跡もある。

一気に車で駆け上る。
こうして、よくわからない場所に辿り着いた。


”上富良野八景”


木で作った立て看板が雪とともに立っていた。
俺は、車から降り、
なんとなくある足跡を辿り、歩く。



すげぇぇぇ。


すごいけど、怖い。


怖いし、寒みぃぃぃ。



落ちたら、のぼってこれねぇぞ、この高さ。
そして、この寒さ。
こえぇぇ。
怖いけど、綺麗。


俺の目の前には、
月光に照らされた、
青白い世界が広がっていた。



車に引き返し、友達に電話をした。
「よくわからねぇけど、すげぇところに辿り着いたぞぉぉ」

すでに次の日。
1:00。


三脚を車から出し、
カメラをセットする。
シャッタスピードを遅く設定する。
シャッタスピードを遅くするってことは、
ボタンを押して、すぐには写真が撮れない。
待つ時間ができる。
待っている間も凍え死にそうだ。

この痛いような寒さ。
久々だ。

たぶん、この寒さからいくと、マイナス20度。
雪がキラキラと光っている。

あまりの寒さに、写真が撮れるのを待ってられない。
ボタンを押して、ダッシュで車に戻り、
再び、撮れたかなと、現場に戻る。
何度となく、繰り返した。



次の日、いや、その日の朝、
母が何気なくこう呟く。
「朝、マイナス20度になったみたいだね」



俺の野生の勘は健在だった。


楽雲庵塾塾長

月光(1)

月は満ちた。

満月かどうかはわからない。
わからないが、ここを逃すと、
今度、いつ写真を撮れるかはわからない。

作品作りのため、
俺は、目的地に車を走らせた。


『ぼうがくだいの写真を撮るには最高の月となりました。これから行ってくる。』
友達にメールをしたのが18:36。

友達に聞いた望岳台(ぼうがくだい)という場所で写真を撮るため、
車を走らせること1時間あまりが経過。
メールを送った友達から電話がかかってきた。

「こっち曇ってるよ」

「まじで!?いや、今更、引き下がれないぞ」


俺は、何度も、月が出ているのを確認し、
途中、実家により、母から、
「月なら、ここから撮れば良いのに」という言葉を振り切り、美瑛を目指す。
確か、美瑛に行った時に、”望岳台まで20㎞”って看板があったはずだ。


そして、その望岳台まで20㎞の看板の地点を通り過ぎ、
さらに前進。

看板を確認し右折。



『通行止めになってる。ぐがぉぉおお』
友達にメールをしたのが22:47。


再び電話が鳴る。

「月出てる?」

「あぁ、出てるよ。だけど行き止まり」

「上富良野の方から行けるよ」

その友達の言葉を聞き光明が射す。
ここまで来て、望岳台に行けないなんて、
気持ちのやり場に困る。


俺は、電話を切り、上富良野を目指す。
どうも、望岳台に行くためには、2つのルートがあるらしい。
美瑛から行くルートと上富良野から行くルート。


友達が電話で言っていたように、
望岳台を目指す、道は険しく、道路は当然とばかりに凍結。
道路脇の雪は、どんどん、その高さを増していった。

上へ、上へと突き進む。

時間も時間。場所も場所だから、
すれ違う車は、極端に少ない。


”吹上温泉”。


”北の国から”でも出てきた温泉を通りすぎ、さらに前進。



『・・・・・』



『ここから、道がなくねぇか・・・』


タイミングよく友達から電話が鳴る。
23:40。


「望岳台に行く道がない」俺は落胆の声で、そう呟く。

「一本道だぞ」

俺は、行き止まりになっている温泉施設の駐車場をグルグル回る。

「やっぱり道がない」

方向としては間違っていないが、
雪が分厚く、望岳台へは行けないことが明らかとなった。

「とんでもないところ教えちゃって、申し訳ないな」

「いや、良いんだ。その神秘的な景色を観たかったんだからさ」


望岳台まで、あと4㎞。



月は優しく光を放ち、
あたりは青白かった。


楽雲庵塾塾長

月を見上げた

俺は、月を見上げた。
ここ何ヶ月間か、ずっと月を見上げていた。

君が月を見たのなら、
俺も同じ時に、月を見ていた可能性がある。

住む場所は違えど、同じ月。


それくらい月を見上げていた。


三日月の時もあったし、
半月の時もあった、
そして、ここ何日間かは満月だね。

満月は、秋ばかりが似合うんじゃないな、
雪景色もなかなか似合うな、
そう思いながら月を見た。


俺が冬の夜空を眺めるのは理由があって、
それは、来年、ぶちかますことになっている、
作品作りのためでもある。


遡ること3ヶ月前。

一緒に作品作りをする友達と、
打ち合わせを兼ね、飯を食べている時のことだ。


「ボウガクダイって知ってる?」

「ボウガクダイ?いや、知らんな」

「冬の満月の時、ボウガクダイの景色は神秘的だよ」


俺は、その話しを聞いてからというものの、
冬の満月の時、ボウガクダイで写真を撮ろうと思って、
冬を迎えた。

よし、もうちょいで満月だ、
ここ何日間は、そう思いながら、
月を見ていたんだ。



この前の土曜日の朝、
母にふるさとの天気を確認するため電話をした。

「土日は吹雪くみたいだよ」

「そっかぁ」俺は、残念で仕方がない声を出した。

「土曜日は、月が一番大きく見えるらしいね」

「何で俺が満月を待っていたのを知ってる?」

言った覚えはない。
俺が実家に帰るくらいしか言ってない。

「いや、ニュースで、そう言ってたからね」

「いやぁ、見たい」そう言われると、なおのこと見たい。


その土曜日は、何度となく、母とメールをし、天気を確認した。



結局、ボウガクダイで写真は撮れなかった。


俺は、ここ何ヶ月間か月を観察してきたから、
どれくらいの周期で月が欠け、そして満ちていくかを、
なんとなく知った。

まだ、何回かあるだろう。


冬の夜空の満月の日、
俺は、月を見上げている。


楽雲庵塾塾長

2010年12月19日日曜日

繋がる物語、繋げたい物語

風穴を自分の拳で開けたい。
そう思って始めたポストカード営業。

楽雲庵塾名物100本ノックを経て、
さらに、その先に繋げたい物語がある。

その物語のタイトルは決まっていないが、
テーマは決まっている。

”故郷”。

故郷をテーマとしたものづくり。
そのものづくりは、二人で行う。

”パンダちゃん”というコンビ名をつけて、
子どもの頃、よく遊んでいた友達と行う。

夏に思い立ち、妄想は膨らみ、
膨らんだ妄想は、衝動に変わり、

やりてぇ、どうせやるなら、おもいっきり、ぶちかましてぇと、

抑えきれなくなった衝動を、行動に変えるべく、
日々、邁進している。

そんなわけで、今、ポストカードの営業と並行して、
故郷へ贈るものづくりのため、よく出かける。

撮った写真は、メールで、その友達に送っている。

俺達は、距離を時間でいうと、
車で3時間半離れた町と町に住んでいて、
なかなか会えない。
だから、今のところは、こんな具合で進んでいる。


この前も、俺は、作品づくりのインスピレーションを求め、
ある場所へと出かけた。

その場所は、小学生の時に、
修学旅行か何かで行ったことがある場所で、

その場所の思い出といったら、
あまりにも、集中して、見学していたもんだから、
気づいたら、みんなとはぐれ、
迷子になったという記憶。

迷子になったという記憶ばかりが残り、
何をそんなに集中していたのかは、
全くと言って良いほど覚えていない。

マンモスがいたかなぁってことくらいしか、
覚えていないけれど、
その施設名から言っても、
今の俺には、くすぐられるものがあった。


その場所の名は、”北海道開拓記念館”。


その場所に行ったのは、
あまりにも久々の二度目。
小学生の頃、迷子になった時以来。

作品づくりをするにあたって、
どうせなら、北海道のことをもっと知りたい、
その方が、おもろいだろうなってことになり、

図書館で本を読んだり、
こうして、歴史を学べる場所へと足を運ぶ。


予想通り、おもろいんだわ。
おもろくて、見学料以上に、
めっちゃ集中して見学した。


特に、
アイヌ文化のこと、
北海道が、蝦夷と呼ばれていた時のこと、
開拓のこと。

昔から今に繋がる物語を、
トンネルの中で、
タイムスリップしながら、
見ている感覚に陥った。


小学生の時のように、集中した。
小学生の時とは違って、時間に制約はない。
迷子になる心配もない。

2時間くらい、その施設の中にいた。
見終わった後、集中しすぎて、ぐったりした。

脳内タイムスリップは、体力を消耗する。



楽雲庵塾塾長

blue

北海道を代表する木は、どうも「エゾマツ」らしいんだけど、
俺の中では、北海道って言えば「シラカバ」ってことになっている。

樹皮が白く、白樺は、雪を連想させる。

数日前、地元の友達、十数人に、
「好きな景色ってある?」って、
アンケートを実施した。

その中の一人にも、「白樺の並木道かな」って奴がいて、
俺は、その友達が言っているであろう景色を探しにでかけた。


たぶん、この辺りだよなって、
道路沿いにたっている観光案内の地図の看板を眺めている俺に、
登山家のような格好のおじさんが、声をかけてきた。

「どこに行くんですか?」

「いや、この白樺街道を観ようと思って来ました」

「そうですか。この近くに、青い池があるんですが、行きましたか?」

「いや、行ってないです」

「すぐ近くだから、寄っていった方が良い。右側に建物が見えたら、右に入って、左にまっすぐ行くと、青い池があります」

「何て、名前の池ですか?」

「名前はわかりません。通称、ブルーリバーって呼ばれている川から流れ着いているから、青いらしいんですよ。ぜひ、行ってみると良い」


「ブルーリバー・・・、かっこいい」
まぁ、すぐ近くなら行ってみようかなって、軽い気持ちで、その場所を目指した。
車が一台しか通れない、両サイドには、草が生い茂っている、砂利道を走り、
途中、なぜかタクシーと出会い、バックで、相当な距離を戻り、
戻っては、砂利道を進み、川に出た。

観光名所にもなっていない場所だが、
俺よりも先に、先客がいた。
親くらいの年齢の夫婦。

一見、見慣れている普通の川があって、その左側に池らしきものがあった。

「なんじゃ、こりゃ」俺は心の中で呟いた。
カメラのシャッターを連続で押す。

ワクワクした顔をしてたんだろうね、
おばさんが、俺に声をかけてきた。

「あっち側から観ると、さらに、青いですよ」

その日は、いつもより、人に声をかけられて、
何か、写真を撮るよう、この池から導かれたような感覚に陥った。


再び、両サイド、草に覆われている砂利道を戻り、
少しばかり、車を止められそうな場所に車を止め、
再び、池を眺め、シャッターを押す。
足元は、雪駄だから、急斜面で滑りそうになりながら、シャッターを押す。


「お~い」


どこからともなく、おじさんの声が聞こえた。
やばい、車が邪魔なんだなって、俺は、「はーい」とでっかい声で返事をした。

白いタオルを頭に、だらんと垂らしているおじさんが現れて、
「いや、いや、つれを呼んだんだよ」って微笑んだ。

「何年ぶりだろう。ここから眺める十勝岳が一番、綺麗だ」

何年前に噴火したかも知らないけれど、十勝岳からは、未だ煙が出ている。


みんな、しらんだろな、この池。
くっくっくって、にやけながら、
故郷に贈る作品作りの写真を撮った一日。


楽雲庵塾塾長

ヌンチャク

友達の結婚祝いと、これからの作戦会議を兼ね、
ゆっくり話せるレストランに、友達と二人で入った。

ハンバーグとロングのアイスコーヒーの注文をすませ、
すぐにでも話したい衝動に駆られている俺は、口火を切った。

「この前、話したのは、ポストカードを作って、(故郷で)個展をやるとこまでだよな。(後で考えれば、個展じゃなく二人展になるのか)あれから、考えるとワクワクして、妄想にも似たアイディアは、さらに膨らんだ」

俺は、今、やってるポストカード営業から続く物語であり、
今、考えつく作戦を話した。

「まじ?」
「ただ、そこまでやるには、俺に覚悟がいる。ポストカードを作って、個展をやるところまでは、確実にできると思うんだけど、ただ、徹底的にやりたい気持ちが、膨らんできてさ」

それから二人の話は加速した。
友達は、こんなのはどうだ、あんなのはおもしろいんじゃねぇとアイディアを話し、俺のワクワク感は、その度に、どんどん上昇した。

「利益は、全部、花火で打ち上げちゃう。それくらいの話題性が欲しい」

いやいや、ちょっと待てよって、友達の話を聞いて笑った。
「まぁ、それくらいのユーモアは必要だな。そもそも利益が出そうもないけどな」


飯の味も大した味わくこともなく、ただ胃袋の中に入れ、夢中になって話をした。
ただ、アイスコーヒーが出てきた時は、一瞬、止まった。

俺の中のロングという言葉の概念では、あまりにもロングすぎ、
これはギャグかってくらいロングで、
どっきりをくらった時は、こんな表情になるんだろうなって顔に、俺はなっていた。
俺がどっきりをくらっているわけだから、友達の表情がどうだったかなんて、
見る余裕はない。
そんなベリーロングのアイスコーヒーも、大した味わうこともなく、夢中になって話しをした。

「そんで、時期は、どうする?」
「徹底的にやるんであれば4月を考えてる」
友達は、うなずく。

「4月までやるには、いつまで、写真と言葉ができれば良い?」
「10種類であれば、1月下旬か2月にもらえれば大丈夫だな。でも、多くの人に観てもらうには、7月が良いんじゃねぇ?ファーストインパクトは大事だ。それのほうが、店側も喜ぶし」
「確かに、そうだな」


俺達がヌンチャクを振り回していた少年時代と、
同じく、いや、あの頃の俺達より負けず、劣らず、
今の俺は、ワクワクしている。




楽雲庵塾塾長

俺は巻き込んでいる

この場所は、俺が普段生活している場所と、
時間の流れが、違うんじゃないかって、
時々、不思議な感覚に陥る。

すごい、ゆっくりと時が流れる。
ばあちゃんちは、小さな川の流れのように、ゆっくりとのんびりと時が流れる。

その日は、ばあちゃんちに泊まることにした。

時計を見たら、夜9時。
ばあちゃんは、1時間前に布団に入った。

読んでいた本を閉じ、やることもないし、俺も布団に入ることにした。
何時間過ぎたのだろう?いや何分しか経っていないのか?
蒸し暑いせいもあり、早寝しすぎたのもあり、
俺は、再び、布団から、むっくり出てきて、外に出た。

車がたまあに通るくらいのもので、
音はないに等しく、あたりは真っ暗、
静かな夜。

俺は、車の中に入って、暗闇の中、煙草を吸い、
その日のポストカード営業で会った人との会話を思い出す。
その日は、何度も、何度も、頭をよぎり、自分自身との会話を繰り返した。


自分自身との会話の合間に、以前、観た映画『酔いどれ詩人になるまえに』の言葉が頭の中に、こだまする。

「もし、何かにトライするなら徹底的にやれ、でなきゃ、やるな」

応援してくれている人たちの顔を思い浮かべた。
ポストカードを置いてくれている店や、
この楽雲庵塾をみてくれている人たち。

ありがてぇなって、感謝の気持ちが浮かんで、
どうして応援してくれてるんだろうって考えたり、
そんな人たちを巻き込んでやっているんだよなぁって考えた。

置いてくれている店は、その貴重なスペースを、俺に提供してくれているわけで、
ポストカードが売れなきゃ、商売にならない。

これから、一緒に作品を創る、幼なじみの友達にしても然り。
普段、仕事で夜も遅く、それに今月は、結婚式を控えている。

何で、俺と一緒にやるって言ってくれたんだろう?
幼なじみだからなのかなぁ?
迷惑じゃないのかなぁ?って、考えてたら、その訳を聞いてみたくなった。

日曜日に、会えるか?って、数日前に、メールをしていたから、
会えるかどうかを確認するのもあって、電話をした。

Rrrrr,Rrrrr。
留守番電話サービスです。

まだ、仕事なんだろうな。
電話をきり、俺は、煙草を吸い、また、自問自答を繰り返す。


30分程経った頃、俺の携帯電話が鳴った。
その友達からだった。
「今、仕事、終わった」
「あいかわらず、忙しそうだな。それで、日曜はどうだ?」
「あぁ、大丈夫だよ」

日曜日の会う時間や場所の話をし、今日のポストカード営業の話をした後、
俺は、気になっていることを聞いた。

「何で、一緒にやるって言ってくれた?」

「おもしろうそうでしょ」笑いながら、友達が言った。


そのシンプルな言葉は、俺が巻き込んでいるのは迷惑じゃないのかって気持ちを一掃した。



電話を切り、俺は、豆電球のうっすら明るい、ばあちゃんちに戻った。


 楽雲庵塾塾長

一石を投じたい

この街のポストカードを作って、もう一度、提案しに来て欲しい。
ポストカード営業に行った店で言われた言葉を、
俺は、イスに横になりながら、ぼぉっと考えていた。

一つのアイディアが思い浮かぶ。

思いついた時、ワクワクした。
ワクワクして早く知らせたくなった。
アイディアは、数珠繋ぎのように浮かんでくる。

その夜、早速、友達に電話をかけた。
あいかわらず忙しいのか、友達は電話に出なかった。


数日後、電話が繋がる。

「とうとう二人でやりたいことが思い浮かんだ」

数年前、俺達は、何か一緒にやりたいなって話をした。
俺は、ずっと、その気持ち変わらず、そう切り出した。

「あの街のポストカードに一石を投じたい」

俺は、考えたアイディアを話し始めた。
「ポストカードを作って・・・、そんで、ラジオに出るでしょ・・・」

忙しくて、それどころじゃないだろうなって思ったけれど、
ありがたいことに、賛成してくれた。

「また会った時にでも話すわ」
そう言って、俺は電話を切った。


年内に作戦を決行したいと思う。
俺達が出逢った街で、俺達が一緒に遊んだ街で、再び、二人で笑う。